前回に続いて生産性要件に関してですが、今回は、生産性を計算するなかで、ちょっと気になったことについてお知らせします。
取組実施日
生産性が1%以上6%未満である場合は、金融機関から「事業性評価」を受けることが必要であると前回説明しました。厚生労働省の案内書を読むと、この場合「取組実施日が平成29年5月1日以降の場合に限る」とあります。
この取組実施日はいつをもって判断するのか気になりました。キャリアアップ計画届を提出した日なのか、雇用した日なのか、正社員に転換した日なのか、非常に気になるところなので、労働局に確認してみました。今回確認したのは正社員化コースについてのみですが、取組実施日は転換日で判断しているとのことでした。
おかげ様で、私が今回依頼されている案件に関しては問題ありませんでした。
3年度前の被保険者数の算出
これはどのように算出するのかなと少し迷いました。「雇用保険適用事業所情報提供請求書」は、過去3年分まで調べることはできますが、あくまで照会した日から遡って3年分となります。月を指定して3年分はできないはずです。
ハローワーク適用係の担当者に聞いてみましたが、同様の返答でした。仕方ないので本日以前の3年分を印刷してもらい、キャリアアップ助成金の担当者に提出して確認してみました。その結果、やはりその方法だと「3年度以前の雇用保険被保険者数」を算出することはできないそうです。
それではどのようにすれば良いのか。その方法はこうです。「雇用保険適用事業所情報提供支給書」の中で、「依頼する情報」を「3.事業所別被保険者台帳」を選択し、(1)照会区分を②全被保険者(喪失済含む)、(2)照会方法を③取得(喪失)順を選択して交付してもらうとのことでした。その後交付された台帳を一人ずつチェックして、3年前の年度に居た被保険者数を算出するということでした。
おかげ様で、この方法により無事被保険者数を確定することができました。
社会保険労務士 杉山 正弘(埼玉県川越支部)